どのような検査か?

 冠動脈CTAはX線診断の1つに分類される非観血的検査法です。 確実に冠動脈のイメージを得るために、ヨード造影剤を経静脈的に投与します。 また、良いイメージを取るために、冠拡張剤の薬剤の投与も行います。 以前は、患者さまの心拍数を安定させるためにβ遮断薬も使用することがございましたが、 当院導入のマルチディテクタCTでは最新のアルゴリズム(Beat to Beat Delay algorithm)を採用することで、 基本的には薬物使用しない方針で行っております。 管球より出たX線は体を通過して特殊な探知器で検出されます。 一般的にこの検出器の数が多いほど(特に16以上)、よりクリアなイメージが取得できます。 そのため、冠動脈CTAは『マルチディテクターCTスキャン』、または『マルチスライスCTスキャン』と称されます。 当院採用のCTは64の検出器をもつCTですから『64マルチスライスCT』と称されます。 冠動脈CTA検査の間に収集された情報は、コンピュータのスクリーン上に3Dイメージ画像として表示され、 冠動脈と共に、プラークが存在すれば確認できます。

冠動脈CTAは他の心臓検査とどのように違うのか?

 最も一般的な心臓の画像検査といえば、冠動脈血管造影法、または心臓カテーテル法です。 この検査法は、大腿や上肢の血管から観血的に冠動脈に挿入されたカテーテルを通してヨード造影剤を選択的に注入することにより、 血管内部を流れる造影剤を撮影して冠動脈の狭窄部分を見つけることができます。 冠動脈血管造影法は、冠動脈CTAが出現してもカテーテルに基づくインターベンション(例えばステント治療)や、 手術を行う必要のある冠動脈の狭窄を評価するための検査としてはゴールドスタンダードです。

 一方、この新しいCTテクノロジーは、ライフスタイルの改善や薬物療法を行うことなしに放置された場合に、 将来問題に至るかもしれない主要冠動脈の重要な狭窄を除外する能力と、非観血的に血管壁のソフトプラーク(脂肪沈着)を検出する能力を持っています。 すなわち、冠動脈CTAの最大の特徴は、その高い陰性的中率です。 これまでの多くの研究から、冠動脈CTAで狭窄がないと診断された場合、98~99%の確率で冠動脈血管造影法でも狭窄を認めないといわれております。

冠動脈CTAを受ける患者様へのアドバイスにあたって?

 患者さまが冠動脈CTAを受けるにあたって重要なことは、 冠動脈CTAから得られる有用な情報の質と量、一方それに伴う一般的なリスクを検査前に医師と患者様の間で十分理解してコンセンサスを持つことが重要かつ必要です。 すなわち冠動脈CTAの適切な適応と、X線被爆とコントラスト剤の使用(アレルギー反応と腎障害)などの若干の危険を伴うということに対する患者様の理解を得る必要があるということです。

 

さて、最も適切なCTAの適応は…

(1) 典型的な冠動脈疾患の症状(労作時の胸痛、息切れ、疲労)のない
  中等度から高度の冠動脈疾患のリスクを持つ患者様

(2) 一般的でない冠動脈疾患の症状(身体活動に無関係な胸痛)を持つ、
  低いあるいは中等度の冠動脈のリスクを持つ患者様

(3) 不明または確定的でないストレステストの結果を持つ患者様
  (トレッドミル検査や負荷心電図等)

このようなタイプの患者様のために、冠動脈CTAは、冠動脈の狭窄の有無だけでなくプラークの分布や広がりといった、心臓内の情報を主治医の先生に御提供できるものと考えます。また、冠動脈CTAは、冠動脈の狭窄に基ずく胸部不快感ばかりでなく他の原因による胸部不快感の原因を示唆できることもあります。

 

【左前下行枝にプラークを認める(矢印)】

 

 先生方の外来診療時に、胸部の症状を認めるリスク患者様で、種々の検査を行っても、原因が不明確な患者様に対して、この検査をご提案して頂きたいと思います。そして、心臓MDCTの情報(狭窄やプラーク等)が、先生方の冠動脈疾患の治療の指針に、お役立にたてれば幸いかと思っております。

どのような患者さまに冠動脈CTAを薦めてはいけないか?

 現在のところ、一般的に冠動脈CTAは主要冠動脈から分岐する小さな冠動脈で狭窄を発見することにおいて、 従来の心臓カテーテル法より効果的な検査法であることは証明されておりません。 そのため、当院では、種々の検査により冠動脈が狭いという明白な所見を持つ患者様は、 診断と治療が可能な心臓カテーテル法をお勧めしております。 この観点から冠動脈CTAは冠動脈造影法の十分な代わりとは考えておりません。 例えば、労作時の典型的な胸痛や既知冠動脈疾患、心臓発作の病歴を持つ、あるいは既往を持つ患者様や、負荷検査で明らかな陽性の患者様は、 早期治療という観点から、重複する診断のために費やす時間と医療費負担を節約するためにインターベンション(ステント)等の治療とリンクした冠動脈造影を優先的にお勧めいたします。

渡辺病院で行う1回のCTAで、どのような情報が得られますか?

 MDCTから得られた膨大な情報は、当院のワークステーションで撮影後直ちに処理されます。 そして、最終的には、患者様のCTAレポートが作成されます。 CTAレポートは、4つの大きなカテゴリー(冠動脈造影レポート、冠動脈プラークレポート、左室機能レポート、心筋性状レポート)からなります。 冠動脈造影レポートでは冠動脈の狭窄の判定結果を、 冠動脈プラークレポートは冠動脈のプラーク情報を、 左室機能レポートはCTでの左室機能の評価を、 心筋性状レポートは心筋の性状(壁厚や造影状態)をそれぞれ報告いたします。

 

 一方、小さな冠動脈病変の検出、石灰化病変の狭窄など、 これまで抱えていたMDCTの診断上の問題点を解決するために、 これまで当院で心臓超音波エコー技術を用いて行ってきたコントラストエコー法やストレスエコー法の膨大な臨床経験とリンクして、 心筋灌流の立場からMDCTの冠動脈病変へのアプローチ法をフィリップスメディカル社と臨床研究ならびに開発を行っております。 この方法から得られた情報もパーフュージョンレポートとして通常のCTAレポートとは別に補足資料としてご提供させていただきます。 ちなみにこの方法は、CTAと同一のデータを使用するため、このレポートのための追加の検査や特別な費用は必要ございません。

 

【きびしい石灰化と狭窄を有し、その支配領域に低コントラスト領域を認める】

 

 尚、レポートの発行は検査終了時から約1時間程度要します。 患者さまの病状により、多少御時間を頂く場合もございます。 また、郵送をご希望の場合はその旨をお伝えいただければ対応させていただきます。

冠動脈CTAを受けるための手続きはどのようにしたらよいか?

このたび、一里山・今井クリニックから心臓CT イメージングをご提供するにあたりまして、 患者さまならびに主治医の先生方とのより良いパートナーシップの確立と、 安全でクオリティの高いイメージングサービスを、スムーズにご提供させていただくために、 一里山・今井クリニックでは以下のサービスをご提案、ご提供しております。 ご利用にあたりいくつか注意していただく点がございます。

 

 大切なことは、若い患者様(特に女性、子供)の不必要なX線被爆は避けなければなりません。 また、過去の重大なアレルギー反応の既往患者さま、 腎臓機能の低下(クレアチニン1.8mg/dL以上)の患者さまは、 除外規定と位置づけております。

 

 以上の観点から、患者さまと主治医の先生とのよりよい診療のサポートとしまして、 当院では3つのサービスをご提案いたします。

 

(1) CTAを受ける前に、患者さまが心臓専門医と一緒に、症状や心臓リスクからCTAの適応と安全性を判断する必要がある場合は、 一里山・今井クリニック0566-26-6706で専門医の外来予約をお取り下さい。 循環器専門医により検査の必要性をアドバイスさせていただきます。

 

(2) 御紹介いただく先生方により、CTAが適切で患者さまにとって安全で適応があるとご判断された場合は、 一里山・今井クリニック0566-26-6706で直接検査予約を行うことができます。 また、Fax 0566-26-6701でもご予約いただけます。 さらにインターネットからはトップページの64MDCT冠動脈造影検査予約から、患者様のお名前と主治医の先生のお名前を入れてご希望の検査日検査時間の予約を自由に登録することが可能です。 ただし新規病院さまは、病院様の事前登録をファックスで行うことが必要です。 詳細につきましてはトップページの新規病院登録をご覧下さい。

 

(3) ご不明な点、ご相談等がございましたら、0566-26-6706までご連絡下さい。 担当者が対応させて頂きます。 受付時間は、平日(月曜日から金曜日)9:00-11:30,16:00-19:00までです。

 

1.電話予約:     0566-26-6706

            (受付時間 午前9:00~午後5:00)

2.ファックス予約:  0566-26-6701

            (受付時間 午前9:00~午後5:00)

3.インターネット予約:www.imai-clinic.com

            一里山・今井クリニックのホームページから予約して下さい。

            (受付時間 9:00-11:30,16:00-19:00)